展示会に出展したのに、ブースの前を来場者に素通りされてしまった。 そんな経験をしたことはないでしょうか。 展示会は、自社の製品やサービスを多くの見込み顧客に直接アピールできる、貴重なマーケティングの場です。 しかし、同じ会場に数百社以上が集まる環境の中では、ただブースを出展するだけでは集客につながりません。 来場者の心をつかむブースを作るには、デザインや設計の段階から戦略的に考える必要があります。 本記事では、展示会ブースで集客を成功させるためのコツを、設計・準備・当日運営・事後フォローの順で網羅的に解説します。 展示会ブースのデザインや施工を手がける株式会社スリービーの実例もあわせて紹介しますので、ぜひ自社のブース作りに役立ててください。
集客力が高い展示会ブースの3つの特徴

展示会ブースで集客に成功しているブースには、共通する特徴があります。 逆にいえば、これらの特徴を押さえておくだけで、多くのブースとの差別化が図れるということです。 集客力の高いブースに共通する3つのポイントを、順番に見ていきましょう。
遠くからでも一瞬で伝わるデザイン
展示会の会場は、広大なスペースに数多くのブースが立ち並ぶ環境です。 来場者は歩きながら無意識のうちに各ブースを流し見しており、興味の有無をわずか0.3秒ほどで判断するといわれています。 この短い時間の中で「気になる」と思わせられるかどうかが、集客の明暗を分けます。
遠くからでも伝わるデザインを作るために意識したいポイントは、以下のとおりです。
| 要素 | 具体的な工夫 |
|---|---|
| 文字・テキスト | 大きなフォントで、一番伝えたいことだけを絞り込む |
| カラー | ひと目で印象に残る配色、コーポレートカラーの活用 |
| 高さ | 背の高いパネルやのぼりで視線を集める |
| 明るさ | 照明を活用してブース全体を明るく見せる |
| シンプルさ | 情報を詰め込みすぎず、視認性を最優先にする |
**「一番伝えたいことが一目でわかる」「シンプルなデザインになっている」「テキスト情報が読みやすい」**という3点がそろうと、来場者の興味を引きやすくなります。派手な装飾を増やすことが目立つことではなく、何を伝えたいかを絞り込むことこそが、視認性の高いデザインの本質です。 会場から自社のブースを眺めたときに、10メートル先からでも「何をしている会社か」がわかる状態を目指しましょう。
出展目的とターゲットに合致した設計
展示会への出展は、あくまでも目的を達成するための手段です。 「出展すること自体が目的」になってしまうと、ブースの設計が曖昧になり、誰にも刺さらないブースになってしまいます。 まず「なぜ出展するのか」「どのような顧客に来てほしいのか」を明確にすることが、すべての出発点です。
たとえば、出展目的によってブースの種類と設計の方向性は大きく変わります。
| 出展目的 | 向いているブースの種類 | 設計の方向性 |
|---|---|---|
| 新製品のPR・認知拡大 | 製品展示型 | 目玉商品が一目でわかるレイアウト |
| リード獲得・商談 | 商談会型 | 机と椅子を中心にした落ち着いた空間 |
| 体験・サービス訴求 | 体験型・セミナー型 | 来場者が参加できるコンテンツを配置 |
| ブランドイメージの強化 | 製品展示型+体験型 | 世界観を統一したデザイン |
目的がはっきりすれば、自ずとブースの形が決まっていきます。 ターゲット層が明確であれば、その人たちの興味を引く言葉・色・展示物を選びやすくなります。 「うちの会社はいろいろな製品があるから、全部展示したい」という気持ちはよくわかりますが、何でも並べたブースは来場者にとって何も刺さらないブースになりがちです。 ターゲットを絞り込み、そのターゲットにとって価値のある情報だけを届けることが、集客力の高い設計の核心です。
来場者が気軽に立ち寄れる空間
いくらデザインが優れていても、「入りづらい」と感じさせるブースには人が集まりません。 来場者は多くのブースを見て回るため、少しでも「近寄りにくいな」と感じると、そのまま通り過ぎてしまいます。 来場者にとってストレスのない、気軽に立ち寄れる雰囲気作りが集客の鍵を握ります。
入りづらいと感じさせるブースの典型例としては、以下のようなものがあります。
・スタッフが入り口にズラッと並んで待ち構えている
・ブース内に仕切りや壁が多く、閉鎖的に見える
・スタッフが退屈そうにしている、または元気がない
・中に入らないと何の展示かわからない
逆に、「外からサービスが見える」「隔たりがない」「自由に閲覧できる」と感じさせるブースは、来場者が自然と足を止めやすくなります。 また、人は「人が集まっている場所」に引き寄せられる習性があります。 ブース内に来場者がいる様子を外から見えるようにしておくことで、さらなる集客効果が期待できます。 準備の段階はもちろん、展示会当日にも「自分が来場者だったら入りたいと思うか」を常に確認する習慣が大切です。
展示会ブースで差がつく設計のコツ

集客力の高いブースの特徴を踏まえたうえで、次は具体的な設計のコツを見ていきましょう。 キャッチコピーの作り方から配色・照明の活用、レイアウトや動線の考え方まで、実践的なノウハウを解説します。
キャッチコピーとパラペットの役割
展示会ブースにおいて、パラペット(ブース正面の上部に設置する看板部分)は最も重要な集客ツールの一つです。 来場者は広い会場を歩きながら、無意識のうちにブースの上部を見ています。 そのため、パラペットに何を載せるかによって、来場者が立ち寄るかどうかが大きく変わります。
多くの会社はパラペットに「株式会社〇〇」といった社名を載せています。 しかし、テレビCMを打っているような知名度の高いブランドでない限り、社名だけでは来場者には何のブースかわかりません。 来場者はわずか3秒でブースが自分の役に立つかどうかを判断するといわれています。 この3秒の壁を超えるために、パラペットには社名ではなく「ブースキャッチコピー」を載せることを強くおすすめします。
ブースキャッチコピーとは、来場者に「これは役に立ちそうだ」と感じさせる短い言葉のことです。 「どんな人向けか」「何を解決してくれるのか」「他社とどう違うのか」という観点で作ることが基本です。 また、キャッチコピーは長い文章ではなく、短く端的な言葉であることが重要です。 颯爽と歩く来場者に読んでもらうためには、一瞬見ただけで意味が伝わる簡潔な表現が不可欠です。
ワンブース・ワンアイテム・ワンターゲットの原則
ブースキャッチコピーを作るうえで、最初に意識してほしい大切な考え方があります。 それが「ワンブース・ワンアイテム・ワンターゲット」の原則です。
「せっかくコストをかけて出展するのだから、自社の製品をすべて見せたい」という気持ちはよく理解できます。 しかし、「いろいろあります」は、来場者にとっては「何もない」と同じです。 何でも並べたコンビニ型のブースは特徴がなく、来場者の3秒の壁を超えることができません。 一方で、特定の商品・ターゲットに絞り込んだ「専門店型」のブースは、対象の来場者に強く刺さります。
具体的には、次のように絞り込むことを意識してみましょう。
・ブースで訴求する商品・サービスは1つに絞る
・その商品が役に立つターゲット層を明確にする
・ターゲットに向けた言葉でキャッチコピーを作る
もしどうしても2つの商品を訴求したいなら、ブースを2つ出すくらいの覚悟で絞り込むことが大切です。 この原則を徹底するだけで、パラペットに載せるキャッチコピーが格段に作りやすくなります。
メリットが一瞬で伝わる表現のつくり方
ブースキャッチコピーを作る際には、以下の3つのポイントを押さえることが重要です。
1. 専門店型の表現になっているか
「業種」「規模」「属性」などの軸で対象を絞り込んでいるかどうかを確認しましょう。 たとえば「中小企業の経営者向け」「従業員50名未満の製造業に特化」といった表現が専門店型です。
2. メリットが明確に伝わっているか
来場者が「自分にとって何が得になるのか」を一瞬で理解できる言葉を選びましょう。 「〇〇できる」「〇〇が解決できる」という形でメリットを直接的に表現するのが効果的です。
3. 具体的な数字が入っているか
「離職率を13%削減」「導入実績100社超」のように、具体的な数字を入れることで信頼性が高まります。 数字があることで来場者はメリットをリアルに想像しやすくなります。
たとえば「組織を活性化させる人事制度の提案」というキャッチコピーよりも、「累計100社超の導入実績!従業員50名未満の企業経営者のための離職率13%削減の仕組み」の方が格段に刺さります。 3つのポイントを意識して、出展ごとにキャッチコピーを磨き続けることが大切です。
配色と照明で世界観を演出する方法
ブースのデザインにおいて、配色と照明は世界観を伝えるための重要な要素です。 一目見ただけで「どんな会社・サービスか」が伝わるブースは、配色と照明の使い方が優れています。 街中で目にする大企業のロゴや看板を思い浮かべてください。 パッと見てわかる、シンプルな配色が圧倒的に多いことに気づくはずです。 この考え方を、そのままブースデザインに応用することができます。
色数を絞って視認性を高める
ブースデザインで使う色は、「3色以内」に絞るのが効果的といわれています。 色数が多くなると、ごちゃごちゃした印象になり、何を伝えたいのかが来場者に伝わりにくくなります。
色を選ぶ際の基本的な考え方は以下のとおりです。
・ベースカラー:自社のコーポレートカラーや、ブランドのイメージに合った色を1色選ぶ
・アクセントカラー:目立たせたい部分に使う1〜2色を選ぶ
・背景カラー:白・黒・グレーなど、他の色を引き立てる無彩色を使う
また、サービスや商品のテーマカラーをベースに配色する、モノトーンで統一してシックな印象を出す、ブルーベースでさわやかさを演出するなど、伝えたい世界観によってさまざまなアプローチがあります。 「何が主役かわからない複雑なデザイン」は、展示会という情報過多な環境では埋もれてしまいます。 一番伝えたいことを決め、的を絞った配色でブースを打ち出しましょう。
照明テクニックでブースを印象的に見せる
照明は、展示品をより魅力的に見せるだけでなく、来場者の感情に直接働きかける力を持っています。 バーやレストランのように落ち着いた雰囲気を出したいなら電球色(暖色系)の照明を、明るく活気ある印象を与えたいなら昼白色・昼光色を選ぶのが基本です。
照明の活用方法をまとめると、次のようになります。
| 照明の種類・使い方 | 演出できる雰囲気・効果 |
|---|---|
| 電球色のスポットライト | 高級感・温かみ・落ち着き |
| 昼白色・昼光色 | 明るさ・清潔感・活気 |
| 縦型の大型モニター | 視覚的インパクト・情報発信力 |
| 間接照明 | 空間全体のやわらかな演出 |
| 展示品への集中照明 | 製品の魅力を際立たせる |
ブース全体の照明を工夫することで、「暖かそうだな」「格好良いな」という感情的な印象を来場者に与えることができます。 明るいブースは遠くからでも目を引きやすく、ブース全体の視認性も高まります。 照明は後から変えにくい要素のため、設計の段階から照明計画を立てておくことをおすすめします。
レイアウトと展示品の効果的な見せ方
ブース内のレイアウトと展示品の見せ方は、来場者の滞在時間と印象を大きく左右します。 展示品は多すぎずシンプルに絞ることが、来場者の記憶に残るための基本です。 展示会の会場では、たくさんのブースや情報にさらされることで来場者は思いのほか疲弊しています。 そのため、展示品の数が少ないほど、一つひとつの商品に集中してもらいやすくなります。
レイアウトを設計する際は、以下のポイントを意識してみてください。
・展示品の数を絞る:メイン1点+サブ2点のようにシンプルな構成にする
・目線の高さに配置する:来場者が見やすい位置に展示物を置く
・余白(空間)を作る:情報を詰め込みすぎず、見やすい空間を確保する
・類似商品をまとめる:関連する展示物を近くに配置して、流れよく見てもらう
・VPの考え方を活用する:VP(ビジュアルプレゼンテーション)を意識して、遠くからブース全体を眺めたときに何を伝えたいかが伝わるように設計する
メインとサブをはっきり決めておくことで、どこを見ればよいかが来場者に伝わりやすくなります。 また、来場者が実際に触れたり操作したりできる準備をしておくと、滞在時間が伸び、より深い理解につながります。 セミナーや体験コンテンツを組み込む場合は、来場者がリアクションできる双方向性のある設計にすることも効果的です。
立地・動線・入りやすさの設計
ブースの集客力を高めるうえで、立地(小間位置)と動線の設計は、デザインと同じくらい重要な要素です。 どれだけ魅力的なブースを作っても、人の流れが来ない場所に設置しては効果が半減してしまいます。
立地を決める際に確認しておきたいポイントは以下のとおりです。
・会場の入り口や主要な通路からどのくらい近いか
・休憩スペースや人が集まりやすい場所の近くにあるか
・複数の通路に面しているか(角小間は3面開放で多くの来場者の目に触れやすい)
ブースの形については、間口を広くとるデザインにすることで、来場者が入りやすい動線を作ることができます。 たとえば長方形のブースでは、長辺方向を入り口にすると奥行きがなくても広く見え、視覚的な効果も高まります。 壁で囲われたブースは窮屈な印象を与えるため、できるだけ開放的なレイアウトを心がけましょう。
「最も来場者が多く来ると想定される方角から自社のブースがどう見えるか」を逆算して設計することが、集客しやすいブース作りの秘訣です。 なお、何らかの事情で小間位置が変更になるケースに備えて、左右反転のパターンなど複数のレイアウト案を事前に用意しておくと安心です。
ブースに必要な準備物と事前チェック

ブースの設計が固まったら、次は準備物の手配です。 展示会当日は「忘れ物が発覚しても取りに戻れない」ことが多いため、事前の準備リストの作成は必須です。 必要なものを漏れなく準備するために、カテゴリー別に整理しておきましょう。
パネル・ディスプレイ・ノベルティなどの展示用品
ブースを構成するうえで中心となるのが、パネル・ディスプレイ・ノベルティなどの展示用品です。 展示用品は準備の最初に手配し、会場でもすぐに取り出せるようにしておくことをおすすめします。
主な展示用品のリストは以下のとおりです。
| カテゴリー | 具体的な準備物 |
|---|---|
| ディスプレイ用品 | 看板・パネル・チェーン・S字フック・パネル展示スタンド |
| テープ類 | 養生テープ・両面テープ・ガムテープ(多めに用意する) |
| 展示品 | 紹介したい製品・サービス資料・サンプル品 |
| ノベルティ | チラシ・手提げ袋・実用的な小物(文具・うちわなど) |
| 収納・搬入用品 | コンテナ・台車 |
| 環境整備 | 掃除道具・ゴミ箱・ゴミ袋 |
ノベルティには自社のロゴを必ず入れ、ホームページへのQRコードを印字しておくことが効果的です。 「どこでもらったか」がわかるノベルティは、展示会後も来場者の日常の中で自社の存在を継続的に訴求するツールになります。 手提げ袋は、各ブースで受け取ったチラシをまとめるために好評なことが多く、配布物の中でも特に喜ばれるアイテムです。 アンケートへの回答や名刺交換をノベルティ贈呈の条件にすることで、リード獲得の効率も高めることができます。
商談・記録に必要な資料とアンケート
展示会では、来場者との会話の内容や商談の結果を、その場でしっかり記録しておくことが重要です。 会期後に情報整理がスムーズにできるよう、商談記録のメモ・アンケート用紙・名刺整理の仕組みを事前に準備しておきましょう。
用意しておきたい記録用品のポイントは以下のとおりです。
・商談メモ:接客が終わったらすぐに相手の状況・興味の度合いをメモし、名刺に貼り付けておく
・アンケート用紙:来場者に記入してもらうか、スタッフがヒアリングしながら記入する
・資料スタンド:来場者が自由に手に取れる場所に資料を置いておく
・タブレット・PC:デジタルでアンケートや商談記録を取る場合は事前にデータを準備する
マニュアルやシフト表は印刷した紙も数部用意しておくと、会場の通信環境が不安定な場合でも迅速に確認できます。 会場ではWi-Fiが不安定になったり、デバイスの電源トラブルが起きたりすることも珍しくありません。 アナログとデジタルの両方で対応できる準備が、安心して当日を迎えるための備えになります。
ブース装飾の規定と会場ルールの事前確認
展示会への出展前に必ず行わなければならないのが、ブース装飾に関する規定の確認です。 展示会によって、ブースの高さ・開口部分・スピーカーの設置方法など、さまざまな制限が設けられています。
規定を確認せずに設営を進め、搬入期間中に違反が発覚した場合は、ブースの一部を削るなど設営をやり直すことになります。 設計・施工会社にも規定を必ず共有し、関係者全員に徹底させることが大切です。 規定の中で最大限に自社の特長を活かすことを意識すると、結果的に集客しやすいブースができあがります。
確認しておきたい主な規定項目をまとめると、以下のようになります。
・ブースの最大高さ制限
・開口部の設置ルール(壁の割合・面の開放数など)
・照明・音響機器の使用ルール
・電力容量の上限
・隣接ブースへの影響に関するルール
会場ルールの確認は「準備の最初のステップ」として位置づけ、他の準備よりも先に行うようにしましょう。
当日の集客を最大化する運営のコツ

設計と準備が整ったら、いよいよ当日の運営です。 ブースのデザインがどれだけ優れていても、当日の運営が機能しなければ集客の成果は半減してしまいます。 スタッフの動かし方・声かけの方法・SNSとの連携など、当日の集客を最大化するコツを解説します。
スタッフの配置と役割分担
スタッフの配置と役割分担は、ブース当日の集客効率を大きく左右する重要な要素です。 来場者は「売り込まれること」を本能的に嫌います。 そのため、スタッフが入り口にズラッと並んで来場者を待ち構えるような配置は、かえって人を遠ざけてしまいます。
来場者が入りやすいスタッフ配置の考え方は次のとおりです。
・ブース内でスタッフが自然に動いている状態にする(動的待機)
・入り口はできるだけ広く開放しておく
・ブース内が空いている時間は、スタッフの一人をスーツ姿で「来場者のように」ブース内に待機させる
・集客担当(ブース外)・ヒアリング担当(ブース内)・商談担当の役割を分ける
「人は人気のある場所に集まる」という心理を活用し、スタッフをうまく配置することでブース内に人がいる雰囲気を演出することが重要です。
また、展示会は長時間にわたる重労働です。 スタッフが疲れてくると、接客の質が落ちて来場者への印象が悪くなります。 休憩を30分ごとにローテーション化し、全員が必ず休憩を取れるようにルール化しておくことが大切です。 女性スタッフはヒールではなくスニーカーを着用するなど、体への負担を軽減する配慮も忘れずに行いましょう。
呼び込みトークスクリプトの準備
ブースへの呼び込みは、ただ大声で叫んでいるだけでは効果がありません。 来場者のタイプに合わせて使い分けられる「トークスクリプト」を事前に用意しておくことが、集客の成果を高めるポイントです。
来場者のパターン別に、スクリプトを準備しておくとよいでしょう。
| 来場者のパターン | 効果的な声かけの方向性 |
|---|---|
| 足を止めてブースを見ている | 興味のある内容に触れながら、具体的なメリットを短く伝える |
| 急いで歩いている | 一言で刺さるキャッチフレーズを使い、立ち止まるきっかけを作る |
| 集団で来ている | グループ全体に向けた問いかけで興味を引く |
| じっくり観察している | 詳しい説明を提供し、商談へのつなぎを意識する |
スクリプトは「完成形」ではなく、当日の来場者の反応を見ながら随時改善していくものです。 毎回の出展ごとに振り返りを行い、より効果的なトークに磨き上げていく姿勢が大切です。 また、スクリプトの内容はスタッフ全員で事前に共有し、誰が声かけをしても一定のクオリティが保てるようにしておきましょう。
SNS映えスポットと配布物の活用
現代の展示会では、SNSとの連携を意識したブース設計が集客の大きなチャンスになっています。 特にBtoC向けの展示会では、「思わず写真を撮りたくなる」フォトコーナーや体験スポットを設けることで、来場者によるSNS投稿が自然と生まれます。
SNS映えスポットを設ける際のポイントは以下のとおりです。
・ブランドのロゴや商品が写り込むフォトフレームやパネルを用意する
・写真を撮りたくなる造作物(世界観を演出するセット)を作る
・ハッシュタグを提示し、投稿を促す仕掛けを作る
・フォトコーナーを来場者の動線上(入り口付近など)に配置する
SNSでの投稿が生まれると、展示会の会場外にいる潜在顧客にも自社の存在を届けることができます。 配布物についても、実用的なノベルティを選ぶことで来場者が日常的に使い続け、継続的な認知につながります。 パネルデザインには大きな文字でキャッチコピーや体験訴求(「無料体験15分!」など)を記載し、通りすがりの来場者の興味を引く工夫をすることも効果的です。
出展前後に押さえておきたい注意点

展示会ブースの出展は、当日だけで完結するものではありません。 出展前の告知と、出展後のフォローアップが、最終的な成果を大きく左右します。 「出展した割に成果が出なかった」という失敗を防ぐために、前後の対応をしっかり計画しておきましょう。
事前告知と集客施策を徹底する
展示会への出展が決まったら、すぐに告知活動を開始することが重要です。 来場者の中には、展示会が始まる前からどのブースを見学するかを決めている人もいます。 事前に自社の出展を認知してもらえるかどうかが、当日の来場者数に直結します。
効果的な事前告知の方法としては、以下のようなものがあります。
・取引先へ電話・メール・郵送で案内状を送る
・営業担当者が訪問先で招待状を手渡す
・自社SNS(X・Instagram・LinkedInなど)で複数回投稿する
・自社ウェブサイトやプレスリリースで告知する
・出展する1ヶ月前から告知を開始し、開催日が近づいたらリマインドを送る
一度だけの告知では見た人に忘れられてしまうことが多いため、複数回に分けて告知することが大切です。 また、設営の様子やブースの準備風景をSNSで発信すると、当日の雰囲気が伝わりやすくなり、来場意欲を高める効果が期待できます。 展示会の招待に使えるメールのテンプレートや案内状の文面も、出展準備と並行して早めに用意しておきましょう。
当日のスタッフ連携を計画しておく
展示会当日のスタッフの連携が取れていないと、せっかく来場者がブースに立ち寄っても、対応の質が下がってしまいます。 来場者への印象を最大限よくするために、事前にマニュアルを作成し、スタッフ全員に共有しておきましょう。
マニュアルに盛り込んでおきたい内容は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| スタッフの配置・役割 | 呼び込み・ヒアリング・商談・受付など役割を明確にする |
| 接客のフロー | 声かけ→ヒアリング→説明→名刺交換→アンケートの流れを統一する |
| 休憩のローテーション | 誰がいつ休憩を取るかをスケジュールで決めておく |
| 緊急時の対応 | トラブルが発生した場合の報告ルートと対応手順を決める |
| 会場のルール | 隣接ブースへの配慮・呼び込みのルール・会場規定を共有する |
スタッフが役割をしっかり把握していると、当日の動きがスムーズになり、来場者への対応品質も向上します。 また、展示会当日は「過度な呼び込みや手当たり次第の声かけ」は避けましょう。 来場者を警戒させ、ブースに近づかなくなる逆効果が生まれるリスクがあります。
来場者へのアフターフォローを実施する
展示会の成果は、当日の商談件数だけでは測れません。 展示会後のフォローアップ次第で、来場者が見込み顧客・受注へと転換する可能性が大きく高まります。
アフターフォローの基本的な流れは以下のとおりです。
- お礼メールを送る:展示会終了後3日以内を目安に、来場してくれたことへの感謝を伝える
- 補足情報を提供する:商談中に話せなかった情報や資料を添付して再度アプローチする
- 次のアポイントにつなげる:来場者の関心度に応じて、訪問・オンライン商談の打診を行う
- 不明点・質問に答える:当日に解決できなかった疑問に丁寧に回答する
- 別のイベントへの参加を促す:自社セミナーや次回の展示会への招待を行う
アフターフォローのタイミングが遅くなるほど、来場者の記憶の中で自社の印象が薄れていきます。 商談メモやアンケートの内容を活用して、来場者一人ひとりに合わせたフォローを行うことが、成約率を高めるポイントです。 「展示会は出展して終わり」ではなく、出展後の行動こそが本当の意味での展示会成功のカギを握っています。
成功した展示会ブースの実例紹介

展示会ブースのデザインや施工を手がける株式会社スリービーの実例をもとに、集客に成功したブースの具体的な取り組みをご紹介します。 スリービーは展示会ブースの企画・デザイン・施工を一貫して対応しており、BtoB・BtoCを問わず幅広い業種での実績を持っています。
高級感・ブランドイメージを打ち出した事例
「新サービスの提供をきっかけに、今までのイメージを一新。近未来のイメージを創出」
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 展示会名 | HCJ2026 |
| 企業名 | 新日本コンピュータサービス株式会社 様 |
| 小間数 | 6小間(9×6m) |
| 会場 | 東京ビッグサイト |
この事例では、毎年同じ展示会に出展し続けてきた同社が、新サービスの発表に合わせてブースデザインを大幅にリニューアルしました。 従来のデザインは来場者に同社ブースとして定着していましたが、一方でマンネリ化という課題も生まれていました。 スリービーは、近未来を想起させるカラー・照明・形状・レイアウトで新しいブースを提案。 出展者様・来場者様双方から高い評価をいただき、新サービスのブランドイメージ刷新に成功しました。
このケースからわかるように、「毎回同じデザイン」は認知度を高める効果がある一方で、新しい打ち出しをする際には大胆なリニューアルが有効です。 ブースのデザインはブランドの現在地を伝えるものでもあるため、出展目的の変化に合わせて柔軟に見直すことが大切です。
デジタル演出・体験型コンテンツを活用した事例
「大型モニターと洗練された空間で、視覚的インパクトを最大化」
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 展示会名 | JIMTOF 2024 |
| 企業名 | 三菱マテリアル株式会社 様 |
| 小間数 | 30小間 |
| 会場 | 東京ビッグサイト |
日本最大規模の工作機械見本市であるJIMTOF 2024において、スリービーは三菱マテリアル株式会社のブースを担当しました。 大型の壁面とシンプルな配色でブースを構成し、洗練された空間を創出しています。 ステージには300インチの縦型モニターを設置し、展示コーナーにも縦型モニターを配置することで、視覚的なインパクトを最大化したブース設計を実現しました。 30小間という大規模なブースながら、シンプルな配色と大型デジタル演出を組み合わせることで、情報が整理された見やすい空間を作り上げています。
この事例は、デジタル演出が「見た目のインパクト」だけでなく、「情報伝達の効率化」にも貢献するという好例です。 大型モニターに製品の動画や使用事例を流すことで、スタッフがいなくても来場者に製品の魅力を伝え続けることができます。
テーマと世界観を統一したデザイン事例
「和テイスト・安心と信頼を創出」
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 展示会名 | PV EXPO 2026 春 |
| 企業名 | AI.net 合同会社 様 |
| 小間数 | 7小間(8.1×7m) |
| 会場 | 東京ビッグサイト |
太陽光発電関連の展示会「PV EXPO 2026 春」において、スリービーはAI.net 合同会社のブースを手がけました。 木目・和風照明・格子という和の素材と意匠を取り入れ、空間全体で日本らしさを演出しています。 奥には桜の行灯を配置し、来場者に「安心」と「信頼」を直感的に伝えるブース設計を実現しました。 コンセプトである「安心と信頼の創出」というメッセージを、言葉だけでなく空間デザイン全体で表現している点が、このブースの最大の特徴です。
テーマと世界観を徹底的に統一することで、来場者は「この会社が何を大切にしているか」を、説明を受けなくても直感的に感じ取ることができます。 ブランドが持つ価値観や強みを、視覚的なデザインに落とし込むことが、長く記憶に残るブース作りの核心です。 スリービーでは、このような世界観の構築から施工まで一貫して対応しております。
まとめ
本記事では、展示会ブースで集客を成功させるためのコツを、設計から準備・当日運営・事後フォローまで幅広く解説してきました。 最後に、重要なポイントを振り返りましょう。
| フェーズ | 重要なポイント |
|---|---|
| 設計 | 遠くから伝わるデザイン・目的とターゲットの明確化・入りやすい空間 |
| キャッチコピー | パラペットに社名でなく「売り文句」を載せる・ワンブース原則の徹底 |
| 配色・照明 | 3色以内の配色・照明で世界観と視認性を演出 |
| 準備 | 準備物リストの作成・装飾規定の事前確認 |
| 当日運営 | スタッフの役割分担・トークスクリプトの準備・SNS連携 |
| 事前・事後 | 1ヶ月前からの告知・展示会後3日以内のアフターフォロー |
展示会ブースは、当日のデザインや声かけだけでなく、準備・設計・フォローまでを一体として考えることで、はじめて集客の成果につながります。 どのコツも「一つだけ実践すれば完璧」というものではなく、組み合わせることで相乗効果が生まれます。
展示会への出展を検討している方や、これまでの出展で思うような成果が出なかった方は、まずは「出展目的とターゲットの明確化」から始めてみてください。 目的が明確になれば、設計・準備・運営のすべての判断基準がシンプルになります。
出展の成功は、準備の質で決まります。 この記事が、あなたの次の展示会を成功へ導く一歩になれば幸いです。
