展示会の集客を考えるとき、多くの会社がいきなり施策の話から入ります。
案内状を何通送るか、ノベルティには何を選ぶか、デモを1日に何回実施するか。
ところが施策の数を増やしても、ブースに来る人がまったく増えないことがあります。
理由は単純で、集客の結果が足し算ではなく掛け算で決まるという構造にあります。
ブースの前を通る人数(通行量)に、そのうち立ち寄る割合(立寄率)を掛けたものが、接点を持てた人数になります。
通行量は小間の位置でほぼ決まり、立寄率はブースの作りと声かけで変わります。
この2つは対策の中身がまったく違うため、分けて考えないと有効な手を打てません。
この記事では、目標から逆算した集客数の出し方、通行量を増やす方法、立寄率を上げるブースの作り方を、順番に整理しました。
施策の一覧そのものは「展示会ブースの集客方法|準備から当日・事後対策まで」にまとめてありますので、あわせてご覧ください。

展示会の集客は「通行量 × 立寄率」で決まる
まず、集客という言葉を打ち手の違う2つの要素に分解するところから始めます。

施策を並べる前に分解する
展示会で実際に接点を持てた人数は、次のような単純な式で表すことができます。
ブースへの立寄り数 = ブース前の通行量 × 立寄率
通行量とは、会期中に自社の小間の前を通過した来場者の延べ人数を指します。
立寄率とは、その通過した人のうち、足を止めてブースの中まで入ってきた人がどれくらいいたかの割合です。
この2つは、原因が違うので打つべき手もまったく違います。
通行量を増やすには小間の位置や会場内での露出が効き、立寄率を上げるにはブースの作りと接客の質が効いてきます。
施策を並べる前にどちらが足りていないのかを見極めておかないと、効かない対策に予算と人員を使うことになります。
前年の出展で手応えがなかった場合も、「人が通らなかった」のか「通ったのに入ってこなかった」のかで、翌年に打つ手がまったく変わります。
比べる相手は業界平均ではなく自社の前回
立寄率が高いのか低いのかを知りたくなりますが、業界平均として使える公表値はありません。
出展社がブースごとの立寄率を公表する理由がなく、主催者が集計しているのは会場全体の来場者数までだからです。
ネット上には「立寄率は何%が目安」といった数字がいくつも出回っていますが、調査方法も母集団も示されていないものがほとんどで、自社の判断材料にはなりません。
比べる相手は、同じ会社の前回の出展です。
前回と今回で総来場者数・立寄り数・名刺枚数の3つを同じ方法で数えておけば、ブースを変えた効果だけを取り出して見ることができます。
初めての出展で比較対象がない場合は、次の章で説明する接客キャパシティを上限として、そこから逆算した数字を仮の基準に置いてください。
通行量は申し込みの時点でほぼ決まる
通行量という数字は、会期が始まってからどれだけ努力してもほとんど動きません。
会場のどこに小間が割り当てられたか、主通路に面しているか、入口やセミナー会場から近いかといった条件で、ほぼ決まってしまうためです。
つまり集客の勝負は、どの小間を申し込むかを決める段階からすでに始まっています。
申込の時点で位置の希望を出せる展示会もあるため、出展要項の該当欄を必ず確認してください。
小間位置は申込が早い順や出展料の高い区画から埋まっていくことが多く、検討が遅れるほど選択肢が減っていきます。
小間の位置と開放される面については「展示ブースとは?種類・小間サイズと出展の進め方」で解説しています。
2つの数字を分けて見る意味
通行量と立寄率を分けておくと、同じ「集客が弱い」という結果でも原因を特定できます。
通行量が確保できているのに立寄率が低いのであれば、ブースの前を人は通っているのに入ってこないということなので、原因は見せ方か入りやすさにあります。
逆に前回と同じくらいの立寄率は出ているのに接点が少ないのであれば、そもそも前を通る人が足りていないので、位置か告知の問題になります。
この切り分けを会期中にしておくと、翌年の打ち手が具体的になります。
目標から逆算して必要な集客数を出す
必要な集客数は、感覚で置くのではなく受注目標から順に割り戻して求めていきます。

必要な名刺枚数から逆算する
逆算の起点になるのは、この出展で何件の受注を狙うのかという数字です。
そこから展示会経由の受注率で割って必要な商談数を出し、さらに商談化率で割ることで必要な名刺枚数が求められます。
そして名刺枚数を、立ち寄った人のうち名刺交換まで至る割合(名刺化率)で割ると、必要な立寄り数が出ます。
| 項目 | 例 |
|---|---|
| 受注目標 | 3件 |
| 受注率 | 20% |
| 必要な商談数 | 15件 |
| 商談化率 | 10% |
| 必要な名刺枚数 | 150枚 |
| 名刺化率(立ち寄った人のうち交換できる割合) | 30% |
| 必要な立寄り数 | 500人 |
名刺枚数の逆算の詳しい手順は「展示会の名刺交換のコツ|声かけと枚数の決め方」でまとめています。
接客できる人数には上限がある
逆算で出した立寄り数が現実的な数字かどうかを、ここで一度確認しておきます。
3日間の会期でスタッフが5人、1人が1時間に2人と会話できるとすると、1日7時間で70人、3日間で210人というのが接客の上限になります。
立寄り数500人という目標に対して、接客できるのは210人ということになります。
目標と上限が食い違っているこの場合、取れる選択肢は3つしかありません。
- スタッフを増やす
- 1人あたりの接客時間を短くする(会話を絞る)
- 目標そのものを下げる
接客できる人数を超えて集客しても、待たされた来場者が通り過ぎていくだけで成果にはつながりません。
それどころか「人は多いのに誰も対応してくれないブース」という印象を残すことになり、翌年以降にも響きます。
目標が過大かどうかを先に判定する
逆算で出した立寄り数は、接客できる人数の上限と突き合わせてはじめて現実的かどうかが分かります。
先ほどの例でいえば、必要な立寄り数500人に対して接客の上限は210人でした。
この時点で目標の半分以下しか対応できないことになるため、スタッフ数・会話の長さ・目標値のいずれかを動かす必要があります。
もう一つ確認しておきたいのが、総来場者数に対する比率です。
総来場者30,000人の展示会で立寄り500人を狙うなら、来場者の約1.7%に足を止めてもらう必要があります。
この数字が前回の自社実績と比べて何倍にあたるのかを見れば、ブースの改善だけで届く範囲なのか、小間数や小間位置から見直すべきなのかの判断がつきます。
判定を申込の前に済ませておくことが重要で、会期が近づいてからでは小間数も位置も動かせません。
小間数と集客数の関係
小間数を増やすと、通路に面する間口が広がるぶん通行量が増え、同時に滞留スペースも確保できるようになります。
ただし費用は小間数に比例して増えるため、目標の立寄り数に対して最小限の小間数で足りるかを確認したうえで決めるのが現実的です。
1小間の間口は約3,000mm、2小間なら約6,000mmとなり、同時に接客できる人数もおおむね倍になります。
接客できる人数が目標に届かない場合は、スタッフを増やすより小間数を増やすほうが解決になることもあります。
通行量を増やす方法
通行量を左右する要素は、そのほとんどが会期前の段階で決まってしまいます。

小間の位置を選ぶ
通行量を左右する要素のなかで、もっとも効果が大きいのが小間の位置です。
角小間・島小間の効果
通路に面する面が増えるほど、小間の前を通過する人の延べ数は増えていきます。
中小間は正面の1面だけですが、角小間は2面、島小間は4面が通路に接します。
単純計算でいえば、角小間は中小間のおよそ2倍の通行量が見込めることになります。
そのため展示会によっては角小間に追加料金が設定されており、人気の展示会では申込の初日に埋まることも珍しくありません。
追加料金を払う価値があるかどうかは、通行量が倍になることで増える立寄り数と、その費用を比べれば判断できます。
主通路と副通路の違い
同じ会場内でも、入口から奥へ伸びる主通路と、その間を結ぶ副通路では人の流れが違います。
主通路に面した小間は通行量が大きく、奥まった副通路は少なくなります。
会場図は出展要項に付いているので、自社の小間がどちらに面しているかを申込前に確認してください。
位置が選べない場合は、通行量の少なさを立寄率の高さで補う設計に切り替えることになります。
奥まった区画はそのぶん通行者がゆっくり歩いているので、立ち止まらせやすいという利点もあります。
遠くから見つけてもらう
通行量そのものを増やせない場合でも、遠くから気づいてもらうことで実質的な母数は増やせます。
天井から吊る看板や、小間の上部に掲げる大きな表示は、人の頭越しに見えるため遠距離から効きます。
ここで伝えるべきなのは社名ではなく、何を扱っている会社かという一点です。
看板の種類と届く距離は「展示会の看板デザイン|種類別の選び方と視認距離」で解説しています。
事前告知で来場者を指名で呼ぶ
通行量は会場の人の流れに左右されますが、事前告知を見て来た来場者は狙って自社のブースに来ます。
案内状、メール、自社サイトでの告知、SNSでの発信などが該当します。
ここで重要になるのは、告知の文面のなかに小間番号を必ず入れておくという一点です。
展示会の会場は数百社が並ぶ広さなので、小間番号がなければ相手はたどり着けません。
会場図のどのあたりに位置するかを一言添えておくと、到達率はさらに上がります。
会場内の露出を使う
主催者が用意している会場内の露出枠を使うことも、通行量を補う有効な手段になります。
公式ガイドブックへの広告掲載、会場案内図への表示、出展社検索サイトでの掲載などが該当します。
いずれも申込の締切が会期の2か月前後にあるため、使うかどうかは出展要項が届いた時点で決める必要があります。
事前告知の具体的な進め方は「展示会ブースの集客方法|準備から当日・事後対策まで」にまとめています。
立寄率を上げるブースの作り方
ここから先が、小間位置に関係なく自社の判断で動かせる部分になります。

通路から中が見えること
もっとも基本的でありながら、もっとも見落とされているのがこの点です。
通路側に壁やパネルを立てて中が見えなくすると、来場者は入りづらくなります。
何をしている会社なのか分からない場所に、来場者はわざわざ入ってきません。
通路に面した側は開けておき、奥の壁に情報を集める配置が基本形になります。
壁を立てたいのであれば、通路に対して垂直ではなく平行に近い角度で振ると、歩いている人から中が見えたまま掲示面も確保できます。
展示台を通路際に並べる場合も、高さを1,000mm前後に抑えておけば、立っている人の視線が奥まで通ります。
腰より高い什器を通路際に並べると、物理的には入れても心理的な壁になってしまいます。
入口を塞がない
現場で意外に多いのが、スタッフ自身が入口を塞いでしまっているケースです。
通路に出て待ち構える、入口付近に数人で固まる、カウンターを入口の正面に置く。
いずれも来場者の側から見ると、近寄りがたく入りにくいブースに映ってしまいます。
カウンターは入口の正面ではなく、側面か奥に寄せて置くほうが人の流れを妨げません。
スタッフが立つ場所も図面に印を付けておくと、当日に全員が同じ場所へ固まる現象を防げます。
3秒で「何屋か」を伝える
通路を歩く速さを秒速1m前後とすると、間口約3,000mmの1小間の前を通り過ぎるまでに3秒ほどしかありません。
この3秒のあいだに伝わるのは、大きな文字で書かれた1行だけだと考えて設計してください。
ここに載せるべきは社名ではなく、取り扱っている商材か、解決できる課題のどちらかです。
来場者が通路で判断しているのは「自分に関係があるか」の一点なので、知らない社名は判断材料になりません。
「◯◯の設計・製造」「◯◯でお困りの方へ」といった具体的な言葉のほうが、足を止めさせます。
一息で読み切れる長さに収めることが前提になるので、20文字前後を上限の目安にしてください。
立ち止まれる場所をつくる
足を止めた人が立っていられるスペースがなければ、そのまま人の流れに戻ってしまいます。
1小間の奥行は約3,000mmで、カウンターや展示台で1,500mmを使うと、残るスペースは1,500mmです。
人が3人並んで立つには奥行1,500mm程度、1人が立ち止まるだけであれば500mm程度を見ておく必要があります。
滞留スペースが足りないブースでは、2人目の来場者が入れずにそのまま通り過ぎてしまいます。
展示物を増やすほど滞留スペースは減るので、どちらを優先するかは設計の段階で決めます。
スタッフの立ち位置
立寄率という数字は、スタッフがどこに立っているかによっても大きく変わります。
通路に出ると避けられてしまい、奥で待っていると声をかけるまでに距離ができてしまいます。
小間の内側、通路から1歩入った位置に立つのが、どちらの問題も避けられる場所です。
この位置に立っていれば、入ってきた来場者の斜め後ろへ自然に回り込めます。
正面から近づくと進路を塞ぐ形になり、相手は反射的に後ずさりしてしまいます。
声をかけるタイミングは「展示会の名刺交換のコツ|声かけと枚数の決め方」で詳しくまとめています。
当日の集客施策と、その効果の順番
当日に打てる施策は数多くありますが、効果の大きさには、はっきりとした順番があります。

効果が高い順に並べる
限られた予算と人員をどこに配分するかを決めるために、効果の出る順番を押さえておきます。
| 順位 | 施策 | 効くところ |
|---|---|---|
| 1 | 通路から見える表示(看板・キャッチコピー) | 通行量・立寄率の両方 |
| 2 | スタッフの立ち位置と声かけ | 立寄率 |
| 3 | デモ・実演 | 立寄率と滞在時間 |
| 4 | 事前告知(案内状・メール) | 指名の来場 |
| 5 | ノベルティ | 立寄率(ただし質は下がる) |
1と2はほとんど費用がかからないのに効果が大きいため、ここを詰めないまま他の施策に予算を使うのは順番が逆になります。
とくに2のスタッフの立ち位置は、当日の朝に全員で確認するだけで変えられる項目です。
ノベルティの使いどころ
ノベルティは立ち寄るきっかけとしては機能しますが、目当ての来場者を増やす副作用があります。
配る相手を絞る、名刺交換と引き換えにするといった運用を決めておけば、枚数を伸ばしながら質も保てます。
置き場所も重要で、通路から見える位置に積むと受け取りだけの来場者が増え、カウンターの内側に置けば会話した相手にだけ渡せます。
数を配ることが目的になっていないか、会期の途中で一度見直してください。
デモ・実演の設計
実演は来場者が立ち止まる理由そのものを作れるため、立寄率を大きく押し上げます。
ただし実演を見る人が通路に溢れると、主催者から通路整理の指導が入ります。
小間の中にあらかじめ観覧スペースを確保したうえで実施するのが前提になります。
実演の時間は1回3〜5分程度に区切って繰り返すほうが、観覧者が入れ替わって延べ人数が増えます。
開始時刻を掲示しておけば、通りかかった人が時間を見て戻ってくるきっかけにもなります。
事前アポイントを入れておく
当日の施策で見落とされがちなのが、既存顧客や見込み客との事前アポイントです。
会期前に日時を決めて来てもらえれば、通行量にも立寄率にも左右されずに商談の時間を確保できます。
商談席を設ける場合は、このアポイントの件数から必要な席数を決めていくと無駄がありません。
既存顧客に来てもらう場合は、ブースで話す内容を事前に決めておくと、挨拶だけで終わらずに次の提案につながります。
セミナー・プレゼンの扱い
ブース内でプレゼンやセミナーを行う場合は、音量の規定を必ず先に確認してください。
2024年9月に東京ビッグサイトで開催された展示会の出展マニュアルでは、拡声器やビデオの音量を通路の中央部分および隣接・背接する小間との境界部分で70デシベル以内と定めています。
マイクの使用そのものに申請書の提出を求める展示会もあるため、プレゼンを計画するなら要項の確認が先になります。
申請が必要な場合、締切は会期の2か月前後に設定されていることが多く、後から思い立っても間に合いません。
集客でやってはいけないこと
効果を狙って打ったはずの手が、かえってブースの評価を下げてしまうことがあります。

通路にはみ出して呼び込む
小間の外に出てチラシを配る、通路に立って声をかけるといった行為は、多くの展示会で禁止されています。
主催者から指導が入るだけでなく、周囲の出展社との関係まで悪くしてしまいます。
あくまで声をかけるのは小間の内側からというのが、どの展示会でも共通する原則です。
チラシの配布も、通路での手渡しは禁止でブース内なら可、という形で線が引かれていることがほとんどです。
音量の規定を超える
BGMや実演の音が大きすぎると、音量計を持った事務局から指導を受けます。
前述のとおり上限は展示会ごとに決まっており、測定される位置も自社の正面ではなく隣接する小間との境界です。
スピーカーは通路側ではなく、ブースの内側に向けて設置するのが基本です。
指向性の狭いスピーカーを選べば、同じ音量でも境界部での測定値を下げられます。
来場者の通行を妨げる
小間の前に列ができると、通路を歩く他の来場者の流れを止めてしまいます。
実演やノベルティの配布で人が溜まる場合は、列を小間の内側に収める設計が必要です。
主催者から通路整理を求められると、スタッフを1人そこに割くことになり、結果として接客できる人数が減ってしまいます。
人が溜まること自体は悪くないので、溜まる場所を小間の中に設計しておくのが正しい対処になります。
全員に声をかける
通路を歩く全員に声をかけると、スタッフの体力が会期の途中で尽きます。
学生、同業他社、資料収集だけが目的の来場者には、無理に声をかけない基準を事前に共有しておきます。
ただし見た目だけで判断すると機会を逃すことがあるので、迷ったら声をかけるという原則は残しておいてください。
決裁権を持つ方が私服で1人で会場を回っていることは、まったく珍しくありません。
ノベルティだけを目当てにさせる
通路から見える位置に大量のノベルティを積むと、受け取りだけの来場者が列を作ります。
立寄り数という数字自体は上がりますが、名刺化率と商談化率のほうは下がっていきます。
だからこそ集客の数字は、必ず名刺化率とセットで見るようにしてください。
立寄り数が前年の2倍になっていても、名刺化率が半分に落ちていれば実際の接点の数は変わっていません。
競合と同じことをする
同じ業界が集まる展示会では、各社が掲げる訴求の言葉がどうしても似通ってきます。
周囲と同じ言葉を大きく掲げても、通路から見たときに区別がつきません。
他社が製品の機能を書いているなら、こちらは用途や解決できる課題を書くという切り替えのほうが、差が出ます。
集客の結果を次回につなげる
集客は1回の出展で完成するものではなく、会期中に数字を取っておくことで次回の精度が上がっていきます。

会期中に記録する3つの数字
会期中にスタッフで手分けして記録しておきたいのは、次の3つの数字です。
- 立ち寄った人数(おおよそで構わない)
- 名刺を交換できた枚数
- そのうちA区分(具体的な課題と時期を話した相手)の件数
この3つがあれば立寄率・名刺化率・商談見込み率が計算でき、次回はどこが弱かったのかを特定したうえで対策を打てます。
記録がないと「なんとなく良かった、悪かった」で終わってしまい、翌年も同じ構成を繰り返すことになります。
数え方は厳密でなくて構いませんが、毎回同じ方法で測ることだけは守ってください。数字は取っただけでは意味がなく、前回と比較できてはじめて判断材料になります。
初日の夜に修正する
会期の途中で変えられるのは、スタッフの立ち位置と声のかけ方、そして掲示物の配置くらいです。
初日の終わりに獲得数を共有し、多かった人の立ち位置と言い回しを翌日は全員で真似してみてください。
初日の振り返りをやるかどうかで、2日目以降の動き方は大きく変わってきます。
振り返りは責任追及の場ではなく、うまくいった人の動きを共有する場として設計してください。
次回の小間位置の希望に反映する
通行量が足りなかったのであれば、翌年の申込で位置の希望を出せるかどうかを確認しておきます。
角小間に追加料金がかかったとしても、通行量が2倍になるのであれば費用対効果は合う場合があります。
判断材料になるのは、今年の立寄り数と、そこから生まれた商談の金額です。
ブースの作りを直す優先順位を決める
立寄率が前回を下回っていた場合、直していく順番は費用の安いものからになります。
掲示物の文言とスタッフの立ち位置は費用がかからず、什器の配置変更は比較的安く、ブースの構成そのものを変えるのは費用がかかります。
まず無料で変えられる2つを試し、それでも動かなければ図面に手を入れるという順番が合理的です。
掲示物の文言は印刷だけで差し替えられるので、次回の出展までに手を打てる範囲も広くなります。
図面から見直す場合でも、前回の数字が残っていれば「どこを何のために変えるのか」を施工会社に具体的に伝えられます。
「もっと目立つブースにしてください」という依頼と、「立寄率が0.6%だったので通路からの見通しを改善したい」という依頼では、返ってくる提案の精度がまったく違ってきます。
集客にかける費用をどこまで見込んでおくべきかは「展示会ブースの費用相場と内訳|コスト削減のコツ」で項目ごとに整理しています。
よくある質問

立寄率はどうやって測ればよいですか
入退場の人数を厳密に計測するのは難しいので、おおよその人数で構いません。
スタッフが1時間ごとにブースに入ってきた人数を数える、あるいは会期終了後に全員の体感を突き合わせる方法でも、傾向はつかめます。
前年と比べられる形で記録することが目的なので、測り方は毎回同じにしてください。
人数を数える担当をあらかじめ1人決めておくと、記録の精度が会期を通して安定します。
事前告知はどのくらい前から始めればよいですか
案内状やメールでの告知は、会期の3〜4週間前から始めて、直前にもう一度リマインドする形が一般的です。
早すぎると忘れられ、直前すぎると相手の予定が埋まっているため、2回に分けて送るのが現実的な進め方になります。
小間位置が悪かった場合はどうすればよいですか
通行量が少ないぶんを、立寄率と1人あたりの滞在時間で補う設計に切り替えることになります。
具体的には、遠くから見える表示を強化して母数を広げ、立ち寄った人には時間をかけて深く話す方針にします。
立ち寄った人数が少なくても、商談化率が高ければ出展の成果は十分に出ます。
奥まった区画は通行者の歩く速度が遅いため、落ち着いて話せるという利点もあります。
ノベルティは必要ですか
結論から言えば、ノベルティは集客において必須のものではありません。
立ち寄るきっかけとしては機能しますが、1と2(表示とスタッフの立ち位置)を詰めるほうが費用対効果は高くなります。
予算が限られているのであれば、ノベルティより看板と動線に使うほうが立寄率には効いてきます。
ノベルティを配らない方針にする場合は、代わりに資料やサンプルを渡せるようにしておくと、会話の終わり方が自然になります。
集客はブース制作会社に相談できますか
もちろん、図面を引く段階からご相談いただけます。通行量と立寄率のどちらが課題かによって、打つ手はまったく変わります。
小間位置、通路からの見え方、滞留スペース、スタッフの立ち位置は、すべて図面の段階で決まる項目です。
立寄率は何回の出展で改善できますか
掲示物の文言とスタッフの立ち位置だけであれば、会期2日目から変化が出ることもあります。
ブースの構成そのものを変える場合は次回の出展からになるため、今回の数字を記録しておくことが前提になります。
記録がない状態では、どこを変えれば効くのかを判断する材料がそもそもありません。
複数の展示会に出る場合、同じブースで使い回せますか
小間のサイズと形が同じであれば、ブースの基本的な構成はそのまま使い回せます。
ただし来場者層が違えば掲示する言葉は変えたほうがよいので、差し替えられる面を用意しておく設計にしておきます。
展示会ごとに立寄率を記録しておくと、どの展示会が自社に合っているかの判断材料にもなります。
集客できるブース設計はスリービーへ
ここまで見てきたとおり、集客の数字を動かす要素の多くはブースの図面を引く段階で決まってしまいます。
通路から中が見えるか、入口が塞がれていないか、立ち止まれる場所があるか、そして遠くから何屋か分かるか。
これらはいずれも当日の工夫では変えようがなく、図面が確定した時点で決まってしまいます。

数字から逆算した設計ができます
スリービーは展示会ブースのデザインから施工までを一貫して手がけています。
集客という観点では、次のような項目を図面を引く段階でご一緒に決めていきます。
- 目標の立寄り数から逆算した、必要な間口と滞留スペース
- 通路から中が見える開口の取り方
- 遠距離用と近距離用の表示の配置
- スタッフが立つ位置と、来場者の動線
- 実演を行う場合の観覧スペースの確保
- 接客できる人数に対して目標が過大になっていないかの確認
前回の出展で集客が目標に届かなかった場合は、原因がブースの作りにあるのか運営にあるのかを図面と照らして切り分けます。
はじめて出展する場合でも、出展する展示会名と小間数、扱っている商材が分かれば、接客できる人数から逆算して現実的な集客目標をご一緒に置けます。
その数字が目標に届かないのであれば、小間数を増やすのか目標を見直すのかという判断も、設計に入る前にご一緒に整理できます。
設計と同時に決められること
集客を数字で管理する前提に立つと、図面を引く段階で決めておくべき項目がはっきりしてきます。
- 目標の立寄り数に対して、間口と滞留スペースが足りているか
- 通路から中が見える開口をどこに取るか
- 遠距離用の表示をどの高さに掲げるか
- 実演を行う場合、観覧者が小間の中に収まるか
- 同時に接客できる人数と、そこから決まる必要なスタッフ数
ここに挙げた項目はいずれも、ブースが完成したあとでは変えられないものばかりです。
逆に言えば、ここさえ押さえておけば当日の運営でできることの幅は大きく広がります。
会期が近づいてからのご相談であっても、掲示物の文言やスタッフの立ち位置についてはお手伝いできます。
2〜8小間を中心に、30小間以上の大型ブースまで対応しており、東京ビッグサイトや幕張メッセ、インテックス大阪など全国の会場で施工しています。
「他社に断られた案件、お任せください」という考え方で、納期や条件の厳しい案件についても一緒に解決策を探しています。
集客を前提にブースを検討したい方は、下記のフォームからお問い合わせください。
まとめ

最後に、ここまでの内容を振り返っておきましょう。
- 集客の成果はブース前の通行量 × 立寄率で決まる。この2つは打ち手が違う
- 立寄率に使える業界平均の公表値はない。比べる相手は同じ会社の前回の出展
- 通行量は小間の位置でほぼ決まり、申し込みの段階で勝負が始まっている
- 必要な立寄り数は、受注目標から名刺枚数を経て逆算する
- 接客できる人数には上限がある。超えて集客しても通り過ぎる人が増えるだけ
- 通行量を増やすのは、小間位置・遠くから見える表示・事前告知の3つ
- 立寄率を上げるのは、通路から中が見えること・入口を塞がないこと・3秒で何屋か伝えること・立ち止まれる場所・スタッフの立ち位置
- 費用のかからない「表示」と「立ち位置」が最も効く。ノベルティはその後
- 通路にはみ出す呼び込みと音量超過は、多くの展示会で規定違反になる
- 会期中に立寄り数・名刺枚数・A区分の件数を記録すると、次回の精度が上がる
集客を施策の数で解こうとすると、費用ばかりが増えて数字が動きません。
まずは通行量と立寄率のどちらが足りていないのかを、数字で切り分けてください。
立寄率のほうが低いのであれば、改善すべき答えはブースの図面の側にあります。
申し込みの段階から逆算して設計すれば、同じ予算でも接点の数は変わってきます。
