展示ブースとは?種類・小間サイズと出展の進め方

投稿日: 2026年9月29日
更新日: 2026年10月2日

はじめて展示会に出展することになったとき、最初に戸惑うのが言葉です。

「小間」「基礎小間」「スペース渡し」「一次側」といった用語が出展要項に並んでいて、何が自社の担当範囲なのかが見えません。

展示ブースという言葉そのものも、会場の区画を指す場合と、そこに建てる装飾物を指す場合があり、文脈によって意味が変わります。

とくに見落としやすいのが、申し込む小間数によって主催者から渡される状態がまったく違うという点です。

1〜3小間なら壁もカーペットも電力も付いてきますが、4小間以上になると床に印が付いているだけの状態で引き渡されることがあります。

この違いを知らずに予算を組むと、あとから数十万円単位で計算が変わります。

この記事では、展示ブースの意味から小間という単位、主催者と出展者の役割分担、構法の違い、費用の全体像までを順に整理しました。

出展要項を読む前に目を通しておくと、どこを確認すればよいかが分かる内容にしています。

展示ブースとは、展示会場で割り当てられた自社の区画

展示ブースとは、展示会場のなかで各出展企業に割り当てられた区画を指します。

主催者が会場全体を碁盤のように区切り、その一区画を出展企業が借りて、自社の商品やサービスを紹介する場として使います。

展示会のブースと出展のイメージ

区画としてのブースと、装飾物としてのブース

実務では、同じ「ブース」という言葉が2つの意味で使われます。

1つは主催者から借りる区画そのもので、契約や出展料の話をするときはこちらの意味です。

もう1つはその区画に建てる壁や什器、看板を含めた造作物のことで、「ブースを作る」「ブースの見積もり」という言い方をするときはこちらを指します。

出展料を払って借りるのが前者、施工会社に発注するのが後者という整理をしておくと、打ち合わせで話が噛み合わなくなることを防げます。

区画を借りただけでは壁も床も何も無い状態のことがあるため、この2つを別の費用として考える必要があります。

ブースが果たす3つの役割

展示ブースが担う役割は、来場者が通路を歩いている状態から商談に至るまでの流れに沿って、大きく3つに分かれます。

1つ目は、通路を歩いている来場者に自社の存在を気づかせることです。

会場には数百社が並んでいるため、通路から見て何の会社なのかが分からなければ、そもそも立ち寄ってもらえません。

2つ目は、立ち寄った来場者に商品やサービスの内容を理解させることです。

3つ目は、興味を持った来場者と担当者が落ち着いて話せる場所をつくることです。

この3つは求められる作りが違うため、同じ区画のなかで役割ごとにゾーンを分けるという考え方が必要になります。

通路側は目立たせる、奥は説明する、さらに奥は商談する、という配置が基本の形です。

展示会・見本市・イベントでの呼び方の違い

同じ区画を指していても、催事の種類によって呼び方が変わります。

商談を目的とした催事では「展示会ブース」「出展ブース」と呼ばれ、企業間の取引が前提になります。

「見本市」は展示会とほぼ同じ意味で使われる言葉で、商品の見本を並べて商談する場を指します。

一方、一般消費者向けの催事や社内イベントでは「イベントブース」と呼ばれることが多く、この場合は物販や体験コーナーを含むこともあります。

言葉が違っても、主催者から区画を借りて自社で装飾するという構造は共通です。

呼び方の違いで実務が変わるのは、来場者の属性と、それに伴う規定の厳しさの部分です。

BtoBの商談を目的とした展示会では、他社の商談を妨げないよう音量やパフォーマンスに制限がかかることが多く、一般消費者向けのイベントでは逆に賑やかさを許容する運用になっていることがあります。

自社が出展するのがどちらの性格の催事なのかを押さえておくと、装飾や演出の方向性を外しません。

ブースの広さを表す「小間」という単位

展示会では、ブースの広さを「小間(こま)」という単位で数えます。

出展の申し込みは「2小間」「4小間」という形で行い、出展料もこの小間数に応じて決まります。

展示ブースの小間サイズの考え方

小間という呼び方の由来

小間という呼び方は、展示会場のレイアウトが将棋や囲碁の盤面のように区画割りされることに由来するとされています。

会場全体の平面図を見ると、通路で区切られた四角い区画が格子状に並んでいて、その一マスが1小間にあたります。

出展社には自社に割り当てられた小間の番号が伝えられ、その位置で設営を行う流れです。

1小間の基本サイズは3m×3m

1小間のサイズは、間口3,000mm×奥行3,000mm(約9㎡)が基本とされています。

2024年9月に東京ビッグサイトで開催された展示会の出展マニュアルは、基礎小間の1小間を「間口:2,970㎜×奥行:2,970㎜×高さ:2,700㎜」(芯々の寸法)としています。

ツーリズムEXPOジャパン2018の出展要項では「W 3,000 mm × D 3,000 mm × H 2,700 mm」と記載されており、展示会によって2,970mmと3,000mmのどちらの表記もあります。

芯々とは柱の中心から中心までを測った寸法のことで、実際に使える内側の幅はこれより少し狭くなります。

畳6枚分をやや超える程度の広さしかなく、来場者が2〜3人入るともう手狭でしょう。

会場や展示会によって寸法が変わる

ただし、3m×3mはあくまで最も多い形で、すべての展示会が同じではありません。

展示会や会場によって2.7m×6m(16.2㎡)のような横長の区画が設定されることもあり、その場合は同じ1小間でも面積と形が大きく変わります。

自社が出展する展示会の1小間が何メートル×何メートルなのかは、出展要項で必ず確認してください。

3m×3mを前提に什器を用意したあとで区画の形が違うと分かれば、レイアウトの組み直しです。

壁の高さは2,700mm前後

見落としやすいのが、壁として使える面の高さで、ここを確認しないままパネルの原稿を作ると寸法が合わなくなります。

前述の出展要項では基礎小間の高さがH2,700mmと定められており、この高さを超える装飾は別の申請や規定の確認が必要になります。

高さの制限は展示会ごとに違っており、大型ブースでは基礎小間より高い造作が認められることもあるようです。

パネルやバナーを吊る計画があるなら、装飾の設計に入る前に上限の高さを押さえておく必要があります。

小間数と規模の目安

何小間を申し込むかで、ブースの見え方と準備の量が変わります。

小間数ごとの面積と、そこでできることの一般的な目安は次のとおりです。

小間数面積の目安規模できることの目安
1小間約9㎡小規模パネルとカウンターで商品を1〜2点紹介する
2〜3小間約18〜27㎡小規模展示台を増やし、簡単な商談スペースを置ける
4〜9小間約36〜81㎡中規模ゾーンを分け、デモや商談席を常設できる
10小間以上90㎡以上大規模ステージやセミナースペースを組み込める

小間数は「予算」ではなく「展示したいものの量」から決めるのが失敗しにくい考え方です。

予算から先に決めると、展示物が入りきらずに通路側の見せ場を削ることになります。

同じ小間数でも形が変わる

同じ4小間でも、区画がどう並ぶかによって間口と奥行の比率が変わり、使い勝手もまったく違ってきます。

横一列に4つ並んだ1×4小間は、間口が12mになるため通路に対して顔が広く、来場者の目に入りやすくなります。

一方、正方形に近い2×2小間は間口6m×奥行6mとなり、奥行が取れるため商談スペースを設けやすくなります。

間口を広く取るか、奥行を取るかは出展の目的で決まります。

名刺を多く集めたいなら間口、商談の質を上げたいなら奥行、という整理が実務的です。

割り当てられる形は主催者が決めるため、希望がある場合は申し込みの段階で伝えておきます。

小間の位置で来場者の入り方が変わる

同じ広さの小間でも、会場のどこに割り当てられるかで来場者の入り方が変わります。

位置によって開放される面の数が違い、それがそのまま装飾の作り方に影響します。

展示ブースの小間位置と開放面の違い

中小間・角小間・島小間の違い

小間の位置は、通路に面している方向の数で呼び分けます。

呼び方通路に面する面特徴
中小間1面両隣に他社の小間があり、正面だけが開放される
角小間2面通路の角に位置し、正面と側面の2方向から来場者が入る
島小間4面四方が通路に囲まれ、どの方向からも入れる

角小間は中小間より人が入りやすく、同じ小間数でも集客に差が出ます。

そのため展示会によっては、角小間に追加料金が設定されていることがあります。

島小間は大型ブースで採用される形なので、四方から見られる前提の設計が欠かせません。

開放される面の数が装飾に影響する

開放される面が増えると来場者は入りやすくなりますが、その分だけ壁として使える面が減ります。

前述の出展要項では、基礎小間の壁について「原則として小間の壁は、両袖と背面に設置しますが」としたうえで、次の場合は壁を取り外した状態で設置すると定められていました。

  • 小間の左右どちらかが通路に面する場合の、その通路側の壁
  • 2小間以上のブースの場合、小間と小間の間の壁

2024年9月に東京ビッグサイトで開催された展示会の出展マニュアルにも「カド小間の場合、通路側の間仕切は設けません」と同じ趣旨の記載があり、島小間については「区画を床上に印したスペース渡しとなります」とされています。

つまり角小間に当たると、通路に面した側面の壁が最初から無い状態で引き渡されることになります。

壁を前提にパネルのレイアウトを組んでいると、貼る場所が足りなくなるという事故が起きます。

小間の位置は主催者から連絡があるまで確定しないため、装飾の設計は位置が分かってから確定させるのが安全です。

実務では、壁がどの面に立つかによって変わる部分(パネルの枚数と貼り位置)と、位置に関係なく決められる部分(什器の寸法、照明の灯数、映像の内容)を分けて進めます。

位置に依存しないものから先に発注しておけば、小間番号が伝えられてから設計を確定させても納期に間に合います。

なお角小間や島小間に当たった場合、開放される面が増えるぶん来場者の視線が入る方向も増えます。

正面だけを整えて側面が裏側のまま、という状態になると、通路を歩く来場者には作りかけのブースに見えてしまいます。

開放面が2面以上ある場合は、どの方向から見ても成立する作りにしておく必要があり、そのぶん装飾の面積と費用が増えます。

小間の壁の外側は装飾できない

意外に知られていないのが、自社の小間に立っている壁の、その裏側の扱いです。

前述の出展要項には「小間の壁の外側は公共スペースの為、出展者による装飾は禁止いたします」と明記されています。

自社の小間に立っている壁であっても、その裏側は隣の小間や通路に面しているため、共有部として扱われます。

壁の裏にポスターを貼る、什器を置く、荷物を積むといった行為は認められません。

在庫や空き箱の置き場所は、小間のなかに確保しておく必要があります。

主催者から渡されるものと、自社で用意するもの

ここが、はじめての出展で最も計算が狂いやすい部分です。

申し込む小間数によって、主催者から渡される状態がまったく違います。

基礎小間とスペース渡しの違いに関する注意点

基礎小間は壁とカーペットと電力が付いてくる

1〜3小間で出展する場合、多くの展示会では「基礎小間」と呼ばれる仕様で引き渡されます。

これは壁や床がすでに用意された状態で、最低限の装飾だけで出展できる形です。

付いてくるものの実例

ツーリズムEXPOジャパン2018の出展要項では、基礎小間に次のものが付帯するとされていました。

  • 壁面パネル(両袖と背面。通路に面する側と小間間の壁は取り外し)
  • パラペット(小間の上部に回る帯状の部材)
  • 社名板(W1200×H200。2小間以上で出展しても1枚)
  • 小間番号札(2小間以上でも1枚)
  • パンチカーペット(ブルー。色は選べない)
  • 1小間につき2口コンセント1個(100V500Wまで使用可)または無料電力送電100V500W

社名板もカーペットも付いてくるため、極端に言えば商品を持ち込んで並べるだけでも出展は成立します。

ただしカーペットの色が選べないため、自社のブランドカラーで揃えたい場合は上に敷き直す費用がかかります。

付帯する内容は展示会によって差があります。 2024年9月に東京ビッグサイトで開催された展示会の出展マニュアルは基礎小間について「展示用照明・電源はありませんのでご注意ください」としており、FOODEX JAPANの出展マニュアルは1ブースにつき100V・300Wまでの一次側電気工事を事務局が行うとしています。

「基礎小間だから一式そろっている」とは考えず、出展要項で付帯品を1つずつ確認してください。

照明は含まれない

同要項には「照明器具は含まれておりません」と明記されています。

さらに「会場の照明照度は400ルクス程度ですので、照明器具の取り付けをお勧めします」とあり、スポットライトの目安として基礎小間1小間につき3〜6灯程度が示されていました。

FOODEX JAPANの出展マニュアルも「展示場の一般天井照明の平均照度は500ルクスです」としており、会場の明るさは400〜500ルクス程度と見ておけば大きく外れません。

基礎小間をそのまま使うと、隣のブースより暗く見えます。

照明は後から足せる部分ではないため、申し込みの段階で一緒に手配しておきます。

照明の選び方は「展示会ブースの照明選びと効果的な演出方法を解説」で詳しく解説しています。

スペース渡しは何も付かない

4小間以上で出展する場合、「スペース渡し」または「敷地渡し」という形になることがあります。

前述の出展要項では、この仕様について「スミ出しのみのスペース渡しとなります」と記載されていました。

スミ出しとは、床に区画の位置を示す印を付けることです。

つまり壁もパラペットも社名板もカーペットも無く、床に印が付いているだけの状態で引き渡されます。

さらに「無料送電電力供給はありません」とされ、電力もすべて申し込みが必要になります。

小間数を増やしたときに費用が単純な倍数にならないのは、この仕様の違いが理由です。

1小間あたりの装飾費で計算していると、4小間に増やした時点で予算が足りなくなります。

一次側は主催者、二次側は出展者

電気工事には主催者と出展者の責任の分かれ目があり、どちらがどこまでを手配するのかを取り違えると当日に電気が使えません。

前述の出展要項では、供給幹線の工事は申込容量に基づいて主催者が行うとされ、そのうえで次のように定められていました。

主催者が設置した開閉器またはコンセントからあとの電気工事(小間内配電盤等)はすべて出展者側で行ってください。

会場の電源から小間までを引くのが主催者、小間のなかで各機器へ配るのが出展者、という線引きです。

この二次側の工事は、ブースの施工とまとめて発注するのが一般的です。

また同要項では、各ホール内や共有部の壁面コンセントの利用は禁止とされていました。

「足りなければ会場のコンセントを借りる」という運用はできません。

提出書類と締切

出展にあたっては、装飾の内容を主催者へ知らせるための書類を、期限までに提出する必要があります。

前述の出展要項では、スペース渡しの場合に「仕様がわかる施工図面(平面図・立面図・詳細図)を必ず提出してください」とされていました。

電気供給工事の申込書についても、2018年9月20日開幕の展示会に対して提出期限が7月31日、追加や変更の締切が会期約3週間前の8月24日に設定され、「使用の有無に関わらず、全出展者提出」と明記されていました。

つまり会期の約2か月前には、ブースの図面と電力の容量が固まっている必要があります。

この逆算をすると、施工会社への相談は会期の3か月前が現実的な時期になります。

展示ブースの構法は3種類

ブースの造り方は、使う部材によって大きく3種類に分かれます。

どれを選ぶかで費用も設営期間も変わるため、小間数を決めたら早めに方向性を固めます。

展示ブースの構法の選び方
構法作り方向いている場面
システムブース規格化されたアルミの柱とパネルを組み立てる1〜3小間、費用と納期を抑えたい場合
木工ブース木材を加工して自由な形を作る造形にこだわりたい場合、中〜大規模
レンタルブース既製の部材やセットを借りる初出展、単発の出展

システムブース

アルミの柱とパネルを規格どおりに組み立てて作る方式です。

部材が繰り返し使えるため費用を抑えやすく、設営と撤去の時間も短く済みます。

一方で、規格の寸法に沿って作るため、曲面や特殊な形状は表現しにくいという制約があります。

パネルにグラフィックを貼れるので、形よりも見せたい情報が多い商材と相性がよい構法です。

詳しい費用やメリットとデメリットは「展示会システムブースとは?種類・費用・メリット解説」でまとめています。

木工ブース

木材を工場または現場で加工し、寸法に合わせて組み立てていく方式です。

寸法や形状の自由度が高く、曲面や段差、埋め込みのモニターなど造形を作り込めます。

その反面、部材を使い回せないため費用は上がり、制作期間も長くなります。

ブランドの世界観をそのまま立体にしたい場合や、他社と明確に違う見た目を作りたい場合に選ばれます。

構法としての特徴は「展示会の木工ブースとは?メリット・デメリットと費用を解説」で解説しています。

レンタルブース

壁・カウンター・照明・什器などを、あらかじめ組み合わされたセットで借りる方式です。

自社で部材を持たなくてよいため初期の負担が軽く、はじめての出展でも手配が簡単に済みます。

ただし選べるデザインの幅は限られるため、他社と似た見た目になりやすいという弱点があります。

出展を続けるかどうかを見極める1回目は、レンタルで試すという選び方もあります。

どれを選ぶかは小間数と予算で決まる

構法は好みで選ぶものではなく、小間数と予算、そして展示物の性質から絞られます。

1〜3小間でパネル中心の展示ならシステムブース、中規模以上で造形を見せたいなら木工ブース、という形が基本です。

実務では両方を組み合わせることも多く、壁はシステムで作り、目立たせたい正面だけ木工で造作するという方法が取られます。

組み合わせれば、費用を抑えたまま印象の強い部分を作れるわけです。

判断に迷う場合は、次の3点を先に整理しておくと構法が絞り込めます。

  1. 展示物の重さと大きさ(重量物を載せる台が必要なら木工の造作が前提になる)
  2. 同じブースを次回以降も使う予定があるか(使い回すならシステムブースが有利)
  3. 壁面に埋め込みたいもの(モニター、ショーケース、収納)があるか

とくに3点目は後から変更できないため、構法を決める前にモニターや什器の外寸を確定させておく必要があります。

展示ブースにかかる費用の全体像

展示ブースにかかる費用は1つの項目ではなく、支払先の違う3種類の費用を合計したものになります。

内訳は、主催者へ払うお金と、施工会社へ払うお金、そして当日の運営にかかるお金の3つです。

展示ブースの費用の全体像と見積もり

出展料は主催者へ支払う

出展料は、区画を借りるために主催者へ支払う費用です。

各社が公表している目安は次のとおりです(2026年9月時点)。

展示会の区分1小間あたりの出展料出典
全国規模の大型展示会37万〜51万円(税込)エヌショーケース
業界団体が主催する専門展28万〜32万円エヌショーケース
自治体・商工会議所の地域展示会14万〜24万円エヌショーケース
区分なしの全体目安30万〜50万円betrack

同じ1小間でも、展示会の規模によって3倍以上の開きがあります。

角小間には追加料金が設定されることがあり、申し込みの時期によって早期割引がある展示会もあります。

出展料は装飾費とは別枠なので、ここだけで予算を考えないよう注意してください。

ブースの製作・設営費

装飾と施工にかかる費用で、構法と小間数で大きく変わります。

エヌショーケースは、1小間あたりのブース製作・設営費用を50万〜200万円としています(2026年9月時点)。

幅が広いのは、システムブースと木工ブースで部材費と工期が違うためです。

前述のとおり基礎小間なら壁とカーペットが付いてくるため、装飾費を抑えられます。

逆に4小間以上のスペース渡しでは、壁から作るぶん1小間あたりの費用が上がります。

出展料と装飾費以外にかかるもの

出展料と装飾費に目が行きがちですが、見積もりから漏れやすいのは次の費用です。

  • 電力の申込費用(無料分を超える場合は1kW単位で加算される)
  • 照明器具のリースまたは購入費
  • モニターやプレーヤーのレンタル費
  • 印刷物(パネル、カタログ、ノベルティ)の制作費
  • 運搬費と、会期中のスタッフの人件費や交通費

これらを合計すると、装飾費と同じくらいの金額になることがあります。

費用の内訳と抑え方は「展示会ブースの費用相場と内訳|コスト削減のコツ」で項目ごとに解説していますので、予算を組む段階で確認してください。

予算を組むときは、出展料と装飾費の合計に対して2割程度の予備費を見ておくと、当日の追加手配に対応できます。

会期が近づいてから追加で発生しやすいのは、電力の追加申込、什器の追加レンタル、印刷物の増刷、そして搬入車両の追加です。

いずれも直前になるほど単価が上がるため、予備費を確保しておくかどうかで最終的な支払額が変わります。

また、費用を比べるときは見積もりに撤去と廃棄が含まれているかを必ず確認してください。

会期が終われば装飾物は撤去して会場から出す必要があり、木工で作った造作は基本的に廃棄になります。

この撤去費と廃棄費が見積もりに入っていないと、終わったあとに追加で請求が発生します。

はじめての出展で失敗しないための進め方

最後に、はじめて出展する場合の進め方を整理します。

順番を守るだけで、直前の駆け込みと予算のずれを避けられます。

はじめての展示会出展の進め方

出展の目的を1つに絞る

最初に決めるのは、その出展で何を得たいのかという一点で、ここが曖昧なまま進めると判断のたびに迷うことになります。

名刺を多く集めたいのか、既存顧客と会いたいのか、新商品の反応を見たいのか。

目的が変わると、小間数もレイアウトも装飾の作り方も変わります。

たとえば名刺を集めたいなら通路側を広く開けて人が入りやすくしますが、商談の質を上げたいなら奥に座れる場所を作ります。

この2つは同じ区画では両立しにくいため、優先順位を先に決めておきます。

小間数は展示物の量から決める

小間数は、実際に並べたいものを書き出してから決めます。

製品の寸法、パネルの枚数、カタログを置く台、スタッフが立つ位置、そして来場者が立ち止まるスペース。

これを平面図に置いてみると、必要な広さが見えてきます。

予算から小間数を決めると、展示物が入りきらずに通路側の見せ場を削ることになります。

1小間で成果を出す設計の具体例は「展示会ブースデザイン|1小間で成果を出す設計術」で紹介しています。

施工会社に相談する時期

前述のとおり、電力の申込と図面の提出は会期の約2か月前に締切が来ます。

そこから逆算すると、施工会社への相談は会期の3か月前が現実的な時期です。

この時期に相談しておけば、図面の作成、申込書類の準備、部材の手配が順番に進みます。

逆に1か月前になってから相談すると、選べる構法や部材が限られ、費用も上がりやすくなります。

出展要項が届いたら最初に見る項目

出展要項が届いたら、まず次の項目に目を通してください。

  1. 1小間の寸法と壁の高さの上限
  2. 基礎小間かスペース渡しか、付帯するものの一覧
  3. 無料で使える電力と、超えた場合の単価
  4. 音量の上限と測定の位置
  5. 図面と各種申込書の提出期限
  6. 搬入と搬出の日程、車両の入場方法

このうち提出期限だけは、読んだ日にカレンダーへ入れておくことをおすすめします。

内容は後から調整できますが、締切は動かせません。

とくに搬入と搬出の日程は、会期の前日1日だけに設定されていることがあり、その日に施工が終わる規模でなければ計画そのものが成立しません。

木工で作り込む予定なら、設営にかけられる時間から逆算して造作の量を決める必要があります。

搬入日の作業時間と、使える車両の大きさは出展要項に書かれているので、構法を決める前に確認しておいてください。

展示ブースについてよくある質問

はじめての出展で問い合わせをいただくことが多い項目をまとめました。

展示ブースに関するよくある質問

1小間でも出展の成果は出ますか

1小間でも成果は出せますが、通路側の見せ方に絞り込むことが前提になります。

間口3,000mmのうち両袖に壁が立つため、通路から見えるのは実質的に正面の一面だけで、そこに情報を詰め込むと何も読み取れない壁になってしまいます。

伝える内容を1つに絞り、離れた位置からでも読める大きさで掲出したほうが、結果として立ち寄る来場者は増えます。

1小間での具体的な設計の考え方は「展示会ブースデザイン|1小間で成果を出す設計術」で解説しています。

前回使ったブースをそのまま使い回せますか

システムブースであれば、部材を規格どおりに組み替えられるため使い回しやすく、グラフィックのパネルだけを差し替えて再利用する運用が一般的です。

一方で木工で作り込んだ造作は、会期後に撤去して廃棄することが多く、保管するにも倉庫の費用がかかるため、使い回す前提であればあらかじめ分解できる作りにしておく必要があります。

使い回しを前提にするかどうかは、構法を決める段階で伝えておくと、後から作り直す無駄を避けられます。

装飾の高さはどこまで認められますか

高さの上限は展示会ごとに出展要項で決まっており、基礎小間では壁の高さが2,700mm前後に設定されていることが多く、それを超える造作や吊り物は個別の申請や制限の対象になります。

小間数が多い区画では基礎小間より高い造作が認められることもありますが、隣接する小間への影響を理由に、背面側だけ高さを制限されるといった条件が付く場合があります。

上限の数値は展示会ごとに異なるため、出展要項の展示装飾規定を必ず確認してください。

パネルやバナーを高く掲げる計画がある場合は、設計に入る前に上限と条件を確認してください。

施工は自社でやってもよいのですか

自社で装飾を行うことは可能ですが、電気工事のように有資格者や指定業者による作業が求められる範囲があります。

前述のとおり二次側の電気工事は出展者側の担当になりますが、これは「出展者が自分で配線してよい」という意味ではなく、出展者の責任で有資格者に手配するという意味です。

また搬入日の作業時間や車両の入場方法も主催者が管理しているため、社内の人員だけで完結させる計画は、実際には難しい場面が多くなります。

出展をやめた場合、出展料は返ってきますか

出展料の取り扱いは主催者との契約によりますが、申込後のキャンセルについては全額を負担する条件が設定されていることが多いため、申し込みの前に規定を確認しておく必要があります。

装飾の発注についても、部材の手配や加工が始まったあとの取り消しは費用が発生するため、社内の決裁が固まってから発注に進むほうが安全です。

出展の可否が流動的な段階では、施工会社との打ち合わせは進めつつ、正式な発注のタイミングだけを後ろに置くという進め方もできます。

展示ブースの相談は株式会社スリービーへ

展示ブースは、区画を借りるところから当日の運営までに多くの判断が挟まります。

小間数の決め方、構法の選択、電力の容量、提出書類の期限。

これらを別々の相手に相談すると、確認の往復で時間が溶けていきます。

株式会社スリービーの展示会ブース施工

一貫対応で決められること

スリービーは、展示会ブースのデザインから施工、当日の運営までを一貫して手がけています。

そのため次の項目を、同じ打ち合わせのなかで順番に決められます。

  • 出展の目的から逆算した小間数と、そこに収まるレイアウト
  • システムブースと木工ブースのどちらで作るか、組み合わせるか
  • 照明の種類と灯数、そこから決まる電力の申込容量
  • 二次側の配線経路と、コードを見せない納まり
  • 主催者へ提出する施工図面(平面図・立面図・詳細図)の作成
  • 搬入と設営、会期後の撤去までの段取り

はじめての出展であれば、出展要項の読み方から一緒に整理していきます。

「どこから手を付ければよいか分からない」という段階でのご相談でも問題ありません。

2〜8小間を中心に、30小間以上の大型ブースまで対応しており、東京ビッグサイトや幕張メッセ、インテックス大阪など全国の会場で施工しています。

あわせて動画制作とVR制作も手がけているため、ブースに映像を組み込む計画も同じ場で決められます。

「他社に断られた案件、お任せください」という考え方で、納期や条件の厳しい案件についても一緒に解決策を探しています。

相談する時点で決まっていなくてよいのは、構法・装飾のデザイン・什器の内容です。

逆に決まっていると話が早いのは、出展する展示会の名前と会期、想定している小間数、そして展示したいものの一覧です。

この3つが分かれば、出展要項を照らし合わせながら現実的な案を出せます。

出展要項がまだ手元に無い段階でも、展示会の名前が分かれば過去の規定から見当を付けられます。

相談のタイミングとして早すぎることはありません。

むしろ小間数を申し込む前に相談してもらえると、「その展示物なら2小間では入りきらない」といった判断を先にお伝えできます。

小間数は申し込んだあとに増やすことが難しく、展示会によっては締切後の変更を受け付けていないため、ここを外すと当日の見せ方に無理が出ます。

申込前の30分の相談で、当日の成果が変わることがあります。

展示ブースについて相談したい方は、下記のフォームからお問い合わせください。

展示会ブースのご相談はこちらから

まとめ

展示ブースの基礎知識のまとめ

最後に、記事の内容を振り返っておきましょう。

  • 展示ブースとは展示会場で各出展企業に割り当てられた区画で、そこに建てる装飾物も同じ言葉で呼ばれる
  • 広さの単位は「小間」で、1小間は間口3,000mm×奥行3,000mm(約9㎡)が基本。会場によって寸法は変わる
  • 壁の高さは2,700mm前後が基準で、超える装飾は別途規定の確認が必要
  • 小間の位置(中小間・角小間・島小間)で開放される面が変わり、壁として使える面も変わる
  • 小間の壁の外側は公共スペースにあたり、出展者による装飾はできない
  • 1〜3小間の基礎小間は壁・パラペット・社名板・カーペット・電力が付くが、照明は含まれない
  • 4小間以上のスペース渡しはスミ出しのみで、壁も電力も自社で用意する
  • 電気工事は一次側が主催者、二次側が出展者。会場の壁面コンセントは使えない
  • 構法はシステムブース・木工ブース・レンタルブースの3種類で、組み合わせることもできる
  • 出展料は1小間30万〜50万円、製作・設営費は1小間50万〜200万円が公表されている目安
  • 図面と電力の申込は会期の約2か月前が締切。施工会社への相談は3か月前が現実的

展示ブースは、借りた区画に何を建てるかという話に見えて、実際は主催者の規定と自社の目的をすり合わせる作業です。

小間数や構法を先に決めてしまうより、何を誰に見せたいのかを決めてから逆算するほうが、同じ予算でも成果は変わります。

出展要項が届いたら、まず寸法と締切を押さえてください。

そのうえでブースの設計に入れば、直前に慌てることなく当日を迎えられます。

はじめての出展を、次につながる商談の場にしていただければ幸いです。

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